表現すること

2019/8/25

Facebookより

 

サカナクションの『グッドバイ』。
https://youtu.be/kt5-Al0CMuk

今でこそ音楽業界の最前線を走るサカナクションですが、煌びやかに見える、「成功者」に見える姿の裏で、2013年、ボーカル山口一郎は苦しんでいました。

 

(以下、山口本人の発言)

歌詞を書かなきゃいけない、でも書けない。

自分が創りたいものではなく

求められるものを作ることに慣れた自分が嫌で

音楽嫌いになって、歌詞を書きたくないと思った。

全身にじんましんが出たり、みんなを責めたり。

一年くらい休養をもらおうと本気で思った。

でも、仕事はやらなきゃいけない。

だからスタジオに行った

その時、自分の好きな歌を弾いて歌ってみた。

そうしたら出てきたのが

『グッドバイ』の歌詞とメロディー。

初めはアルバムの一曲になるくらいだろうと。

でもどんどんスタッフが口ずさみ出したりして

音楽を始めた頃の気持ちを思い出した。

たくさんの人にこの曲を聴いてもらいたいと思った。

そこでシングルA面にしてもらえないか掛け合って

リリースできることになった。

https://youtu.be/GAzmU9VHFNI

(引用おわり)

 

それでも音楽が好き。それでも音楽を手離さない。そんな彼の強い気持ちが産み出したのが『グッドバイ』。心打たれた。

私自身も高校時代、声楽部に入っていましたが、色々な悩みから「このままここにいたら歌うこと自体が嫌いになってしまう」と部活を辞めました。

だから、ほんのちょっとだけど気持ちがわかる気がします。自分の大好きなものが嫌いになる、自分自身が壊れそうになるつらさ。

この歌は、リリースされたあと、多くのファンから「サカナクションらしくない」と批判されたそうですが、彼がそれを出したいと思ったならそれが「サカナクションらしさ」だし、「山口一郎らしさ」なんですよね。

自分を表せば、いいことばかりだけでなくつらいことも同時に背負うことになります。でも、自分を表し、誰かと共鳴できた時、そこには大きな喜びが生まれます。そんな苦しみや恐怖を乗り越えてメッセージを体現するアーティストには、尊敬しかありません。

この歌とその背景を知り、サカナが一層好きになりました。

▼同じように、グッドバイに共鳴した女性のことば

https://t.co/ll659LcgxO

以下、本文より。
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サカナクションには、別れが似合う。
終わりの見えない道を、頭を掻きながら、深夜に彷徨っているような歌詞が多い気がする。
きっと、山口一郎もそうなのだろう。彼を見ていると、いつもいつも悩んでいる気がする。それを包み隠さず私達に見せてくれる情熱に、私は心打たれてならないのだ。
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