Don't let them in.
『窮鼠はチーズの夢を見る』
婚約破棄のおねがいをするシーン。
岡村たまき(吉田志織)は涙を溜めながら言う。
「別れるんだったら、なにかそれらしいことなんでも言えばいいじゃないですか。嫌いになったって」 。
でも大伴恭一(大倉忠義)は、斜め下の空気を見つめる。魂の抜けたような表情で語るのは元パートナーへの想い。
「ごめん…どうにもできなくて」
「今度こそ帰ってこないかもしれない。でも俺待ちたいんだ。一人になって、できることしてやりたい。」
前も、こんなことがあった。
初めてたまきが家に来て、夜を共にした次の日。
パートナーが出ていった理由を聞かれるとこう答える。
「あなたじゃだめだって言われてあっさり終わった。苦しそうだったからね、本当に。俺は幸せだったんだけどさ……勝手なんだ俺。」
聞きたくない、聞きたくない。
聞きたくないことを聞いてしまった。
大伴さんは私より大人な人。
私には吸えない煙草を吸う女性と暮らしていた。
本当に愛してた人がいて、
でもその人に置いていかれて、
とっても傷ついていて…
私の知らない思いをたくさん知っている人。
かわいそうな人。癒してあげたい。
早く大人な女性になって大伴さんに追いつかなくちゃ。
そんなたまきの心の声が聞こえてくるようだった。
彼はいつもそうだ。
本当の思いを言うべきところで言えず、
嘘をつくべき場面で嘘をつけない。
加えて、相手を招き入れるべき場面で突き放し、
突き放すべき場面で招き入れてしまう。
私も似たようなところがあるからわかる、そういう人は嫌われる。なぜなら理解がしがたいからだ。
でも私は反対に理解できない。どうしてみんながそれを適切に判断し、スイッチを使いこなせるのかが。
不器用すぎる愛はまじわりやがてすれ違ってしまうけれど、そんなごちゃごちゃもいいだろう。無秩序で、在り来りな答えと違って。
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